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概要

20150218-0005-001

第 1期 2011(平成 23)年度 11 第2石を選んで隣に仮置きし、第1石と接する合端の不具合があると、石を転がして出っ張りを削はつります。第6回講座は2つの石材を据えた時点で昼食となりました。天気は秋晴れとなり、見ているだけでも喉が渇きます。<10月4日 同レポート> 第6回講座の実習は、午後に第3石を据えるところから再開しました。間知石は尻細ですが、ずんどうの石材は「雑ざつわりいし割石」と呼んでいいようです。このような直方体に近い形状の石材を積み上げれば、100年、200年経過しても崩れないはずです。戦国時代に築造された城の石垣などが、400年を経ても形状維持している姿は、石積みの本来の姿であると思われます。近年は石垣の見えるところに間知石を使い、後方にざっくりと裏込め石を入れセメントで固める工法は、インスタントなやり方に思えてきます。竹部光春師匠は、「世の中は進んだばってん、技術は後退しとる」と嘆かれます。 さて、第3石をどれにするか、受講者たちが探しています。面つらがよくて、隣の第2石の側面にほどよく接合するものを選定するのに少し時間がかかります。やがて決まった第3石にワイヤーロープをかけクレーンでつり、第2石の横へ降ろします。「石材を線より少し前に降ろして、カナテコ(鉄梃)で後方へ動かす方がいい」と師匠から指示が出ます。 第3石の座りはよくても第2石との接合面はどうか。石材を一度90度転がして側面をはつり、それをまた元の位置に据え直して接合の具合を確認します。こういう作業を第4石、第5石と繰り返します。それぞれの手順は同じでも石材の凹凸、表情は一つ一つ違うのでやっかいです。受講者たちは一生懸命、石材を転がし、カナテコ(鉄梃)を使います。受講者たちは息の合ったチームワークで力を出し、足取りも軽く汗を流す姿は、見ていてすがすがしいものです。 並んだ石材を面の方から見ると、地面側の底辺は一直線ですが、石の上面の天側は不ぞろいです。今回は2層目を積むまではできませんが、もしやるとすればかなりの手間になるようです。石材の尻(後ろ)の方から見ると、石材の控えの長さがそれぞれ違うので、2層目を積むとすれば、石材を据える作業の大変さが思われます。 今日の実習では、第9石まで石材がきちんと並びました。熊本城の石垣を見学 第7回講座は10月8日、熊本城で行われた。説明と実技指導は熊本城石垣修復技術者の木下浩昭氏。木下氏は玉名市天水町の石工技能者で、熊本城の石垣修復を40年以上続けている。 熊本城は築城の名手と呼ばれた戦国大名、加藤清正が熊本平野を見渡す丘陵地に、1607年ごろまでに築造。堅固な石垣に守られ、周辺を流れる河川が掘りの役割を果たす巨大要塞である。城の石垣は、織田信長が築いた安土城の石垣造りを担当した近江の「穴あのう太石工」を招き、築いたといわれている。 熊本城は1877(明治10)年に起きた西南戦争で、「難なんこうふらく攻不落の城」を実証している。西郷隆盛を首領と