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概要

20150218-0005-001

貴重な石橋が次々と被災 61山中山、飯豊町高峰、米沢で日最大降水量が統計開始以降観測値1位を更新。南陽市を流れる吉野川(最上川水系)が氾はんらん濫し住宅に浸水被害が発生、同市や白鷹町等で斜面崩壊などの土砂災害が起こった。南陽市の前川に注ぐ北川に架かる小こいわばし巌橋(別名・蛇じゃがばしヶ橋、1881年架橋、橋長6.0㍍、橋幅6.7㍍)が、基礎石、輪石、壁石、高欄の一部が流失するなどの被害を受けた。*2 山形地方気象台は同年7月11日、速報として「梅雨前線による大雨(平成26年7月9日?10日)」を発表した。概況 東北地方に停滞する梅雨前線に向かって、台風第8号から暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となった。 このため、県内では7月9日から10日にかけて雷を伴う激しい雨が降り、県南部を中心に大雨をなった。 降り始めの8日21時から11日09時までの総雨量は、小国で235.5㍉、長井で207.5㍉を観測した。9日の日降水量は長井で183.5㍉、上山中山で169.5㍉を観測するなど記録的な大雨となった。 この大雨により、各地で土砂災害や洪水、浸水、冠水などの災害が発生し、南陽市や長井市、山形市などの約8,000世帯に避難勧告・指示が出された。2014年山形県豪雨災害で被害を受けた石橋小巌橋(蛇ヶ橋) 輪石の3割が流失、基礎部が欠損山形県南陽市小岩沢、1881年架橋、単一アーチ、橋長6.0㍍、橋幅6.7㍍、土木学会選奨土木遺産 石造アーチ橋は江戸初期、長崎で築造されるようになって以来、その耐久力が実証されている。ただし、それは単に壊れにくいというものではなく、路面を洗うほどの洪水が起こると、空積でアーチ中央部がやや高くなった形状の石橋では、まず水流を左右両岸に流すことで、浮力による下からの押し上げに最も弱い要石付近の輪石への水圧や流木などの衝撃をかわす。次に高欄や壁石が流失することで、輪石がつながった状態を可能な限り保つ構造になっている。石造アーチ橋は、基礎が重大な損傷を受けることなく輪石がつながっていれば、修理して再び丈夫な橋として使用できるのである。当初の石造アーチ橋には、そのような耐久力と復元力があったと言える。 明治期以降はセメントの普及に伴い、錬積による石橋築造工法が普及した。2012年の九州北部豪雨*2 2014年7月の山形県の豪雨被害状況については、気象庁7月11日発表「梅雨前線による大雨(速報)」と、東北大学災害科学国際研究所緊急災害調査団が8月15日に発表した「平成26年7月山形豪雨・土砂災害緊急調査報告(速報)を参考にした。被害を受けた小巌橋(蛇ヶ橋)