ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

20150218-0005-001

66 第3 章 日本の石橋の現状◇新橋架設 増加する自動車の円滑な道路交通のため道路では拡幅工事が行われる。道路拡幅計画が石橋にかかる場合、新たに橋を架けることで石橋を迂うかい回する道路を計画して、石橋を歩道橋として現地に保存する事例も見られる。ただその多くは、旧橋(石橋)のすぐそばに新橋が架けられることになり、石橋のある風景の中に異なる工法の新橋が加わることになる。浜町橋熊本県上益城郡山都町、1833(天保4)年架橋、単一アーチ、橋長14.4㍍、橋幅3.6㍍、町指定有形文化財。石張りの鉄筋コンクリート橋併設により路面を拡幅。写真左が上流側、右が下流側霊台橋(熊本県下益城郡美里町)上流に国道橋が架けられ、石橋は人道橋として現地保存された。右上は緑川ダムで、川の流量を調整し霊台橋を守っている*4 KABSE 九州構造・橋梁工学研究会(事務局は福岡市中央区渡辺通)の石橋設計と維持管理のガイドライン作成に関する研究文科会が2014年6月に発行した「石橋の設計ガイドラインと維持管理ガイドライン」を参照。*5 「日本のいしばし80号」(2012年2月29日発行)の「めがね橋の構造と強さ(1)」(軸丸英顕)、「日本のいしばし85号」(2014年9月9日発行)の「石橋を守るために(1)」(軸丸英顕)に掲載の内容を参考にした。◇路面拡幅 道路拡幅工事は現代の土木手法で施工されることが多い。石橋の路面拡幅のために、上部にスラブ(鉄筋コンクリート製の床版)を載せる工法が採用された場合、床版が幅員より大幅に張り出す。また、鉄筋コンクリート橋を併設して幅員を拡幅した場合は、石橋の隣に同サイズの石張りの鉄筋コンクリート橋を併設することで外観に考慮した事例も見られるが、上流側と下流側では外観が異なる事例もある。石尾野橋熊本県阿蘇郡産山村、1923(大正12)年架橋、単一アーチ、橋長17.6㍍、橋幅4.5㍍。スラブ上載方式で路面拡幅。2014年7月に上流側に鉄筋コンクリー製の新橋が架設され、石橋は歩道橋として残されている