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飯能の石橋(苅生
かろう
の石橋と旧日の出橋)
意義 飯能市には存在が確認されている石橋は17橋。他に未確認が3から5橋は有る
思われる。この地域の特徴で板状の石を3~5枚並列に並べた石橋が一般的だ。しかし、
象に選んだふたつの橋は組み上げた石橋と石橋の可能性がある橋。劣化や架橋されてい
場所から資料収集と撮影には無人航空機(以下、ドローンと記載)の利用が必須と思われる。
1それぞれの橋の現資料とドローンに
よる利活用
1-1苅生の石橋 現資料
1-1-①場所橋の特徴
本来の道=苅生秋葉神社参道から赤
根ケ峠へ通じる旧道で苅生川と斜め
交差する、斜橋。
橋長 約2m50c
約1m。人が橋上ですれ違うこ
とは不可能。
アーチ 水面からアーチの天頂部の輪石まで約1m30cm
橋に上がる事が不可能なので、計測ができない
素材 アーチを
構成する輪石に
不ぞろいな野面
(のづらいし)
使われている。
2006
823 日撮影
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2006 年当時、すでに石橋を渡り切ること
すでに危険。揺れは無いが手前から3歩渡って中止した。
2006 823 日撮影
後年、コンクリートで補強されたようだが、劣化は進行し
ている。 2022 36日撮影
202撮影
近年、川床がだんだん
上昇している
2022 36撮影
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1-1-② 歴史
地元、南高麗地区の方の話「明治期に工兵が訓練で架けた。」と聞いているので調査
を継続中。新編武蔵風土記稿による苅生秋葉神社は赤根ケ峠頂上付近に鎮座、明和
5(1768)と記された幟も残る。近くに明治43年完成
はたのトンネルが出来て通行
者が減った事により荒れたらしい。*畑のトンネルは埼玉県近代化遺産のうち飯能市
は筆頭に上げられている。現存だが、通行止め。こちらもドローン撮影を試みてみ
い。
1-1-③ 影とデジタルデータの利活用
苅生の石橋自体を撮影することは、川床に降りられるのでドローンを使用しなくても
良いかもしれない。しかし、この石橋を架けられた場所自体が参道であり、峠越えの
であるので、ドローンによる空撮で近辺の全体像が明らかになり歴史も検証される。
1-1-④ 置情報と飛行禁止区
国土地理院「地理院地図」より
調べたが飛行禁止区域では無いよ
うだ。
*場所情報コードについ
・コード作成後の使用方法などがま
良く分からず今後の課題
・地理院地図操作マニュアルを参考
する必要がある
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2-1 旧日の出橋
2-1-① 所と橋の特徴
旧道の上に拡幅で新道を通す際
に高低差を克服するため立体交差で
日の出橋を架けた。その工事で埋も
れたのが旧日の出橋。
輪石は成形された石材が使われ
ているようだが、コンクリート成
形か判別が必要
輪石は右写真の右側が短く、左
側が長い。
2-1-② 歴史
「南高麗郷土史」より抜粋。
写真(モノクロ)は、昭和初期
に県道が整備された頃と思われる。
その後、飯能で初めて立体交差の
工事がされ「旧日之出橋」は日の出
橋の下になった
昭和の旧道の名残が中間の水平
線と思われる。
工事は、計2回、県道工事、立体
交差工事が旧日の出橋の上で行われ
ている。
2-1-③ 撮影
ドローンで撮影して石橋の条件に
該当するか検証
四角い橋梁名などを記した銘板の
有無や剥がれ落ちた痕跡が無いか。
2022 36撮影
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輪石頂点に要石があるか。
橋の内側を撮影し、日本の石橋
守る会の会員に確認を申請する。
結果、旧日の出橋が石を組み上
た石橋となれば、飯能市内では2
が、認証される。
東日本の石橋は、東京都内や山
県内では記録もあり、現存していて
使用されており、架橋の資料も多く
存在している。
飯能市内で板状の石橋ではない、
輪状の組石による石橋の記録が残せ
ことは貴重。
2022 36日撮影
2022 36日撮影
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2-1-④ 置情報と飛行禁止区
国土地理院「地理院地図」より調べ
たが飛行禁止区域では無いようだ
ドローン使用上の効果と注意点
ドローンによる撮影は、近くに寄ることが不可能な場所や橋のアーチ内部の上下両側面
を記録できることが非常に効果的。撮影の為に無理な行動を取らずに済むので人への安全
性が担保されることも重要。
航空法による飛行禁止区域の有無を事前に調査することは当然だが、人家の近くでの撮
影では理解を得られるよう説明や了解を得ること交通の妨げにならぬようなど一般的な
常識の範囲で、迷惑行為、違反行為にならぬよう配慮が必要
デジタルアーカイブとして保存
保存媒体など規格や規則を遵守し長期保存を試みたい。また、ドローンによる撮影は
近年機材の進化が著しく、解像度の上昇、カメラのヘッドが上下可動となり橋の撮影に期
待が出来る。
「日本の石橋を守る会のホームページ」に投稿し掲載も保存も期待したい。
*場所情報コードについ
・コード作成後の使用方法などがまだ
良く分からず今後の課題
・地理院地図操作マニュアルを参考
する必要がある
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参考文献
南高麗郷土史編集委員会,南高麗郷土史,1996,南高麗郷土史研究会,450p
国土地理院,理院地図操作マニュアル,2022,59p