2020年7月豪雨で被災した「めがね橋」

 以下は全て,本会の「掲示板」に会員の皆様が投稿された情報です。全国の石造めがね橋情報,宜しくお願い致します。メールでも構いません。


 
 
◆<尾久保橋のその後>  投稿者:OGAMI.co様(2020年 8月20日)
中村まさあきさん、お疲れさまです。
尾久保橋について、現状を補強・強靱化して交通の復旧を急ぐ提案をしましたが、国庫補助災害復旧で架け替えされる流れになっているようです。
その結果、上下流の石橋は撤去されるようですが、上陽の石橋を守る会の皆さんが、移転復元に向けて保管する要望をされています。守れるのではないかと思います。


 

◆<令和2年7月豪雨>  投稿者:中村まさあき様(2020年 7月19日)
この7月の記録的な大雨を気象庁は「令和2年7月豪雨」としています。各地の被害状況が報道されていますが、石橋に関する報告は多くありません。そんななか、熊本県八代市の東陽石匠館には同市泉町の「髙原橋」が被災したとの情報が寄せられました。7月14日に上塚寿朗館長が現地で撮影した画像を入手したので紹介します。

髙原橋(7月14日、熊本県八代市泉町)
取付護岸付近の石積みが崩落


 

◆<令和2年7月豪雨>  投稿者:中村まさあき様(2020年 7月19日)
7月18日に福岡県大牟田市、熊本県荒尾市と玉名市の石橋を回りました。大牟田市の早鐘眼鏡橋と陣屋眼鏡橋、荒尾市の八幡橋、玉名市の高瀬目鏡橋と秋丸目鏡橋、石貫車橋は一見して被害はなかったように見えました。荒尾市の岩本橋は分水路が整備されていたおかげで大きな被害はなかったように見えますが、輪石にひび割れや欠けた箇所があり、壁石の内部から水がしみ出ているところもあるため、石橋の健全度調査が必要に思われます。

岩本橋(7月18日、熊本県荒尾市、県指定重要文化財)
以前からはらみが見られた下流側の水切り石上の壁石が湿った色をしている。
石橋の上流20mほど先の川沿いの道路が陥没して通行止め。石橋のアーチ下へも進入禁止の状態


 

◆<令和2年7月豪雨>  投稿者:中村まさあき様(2020年 7月20日)
福岡県八女市上陽町の「尾久保橋(本谷橋)」が7月の豪雨で被災しているとの情報が「ほたると石橋の館」(同町)の内田理絵館長から寄せられました。
すでに被害調査が行われており、洗掘により基礎部に段差ができているほか、輪石に長い亀裂が入り石積みに損壊もみられるようです。
同橋は橋幅4.86m、径間3.6mの単一アーチ橋。架設後に新たにアーチ橋を併設するかたちで路面の拡幅が行われており、今回の基礎部にできた段差は、隣接するつのアーチの接点で起こったようです。
この石橋が今後どうなるのか、注目したいと思います。


 

◆<令和2年7月豪雨>  投稿者:中村まさあき様(2020年 8月 2日)
熊本県八代市地域の石橋を見てきました。本年度「日本遺産」に認定された八代市指定有形文化財の「赤松第一号眼鏡橋(赤松橋)」(写真上、中)の被災を確認。高欄が橋の路面に崩落し、壁石の一部が損壊、特に上流左岸側に被害が見られました。
「須田橋」の本体は無事で、左岸側の取付護岸の約2m上流の石垣が崩落した状態(写真下)。
八代市の「新免橋」「太平古橋」「太平新橋」「小薮橋」「鑑内橋」は無事でした。
球磨川に架かる橋が流失した坂本町が気になっているのですが、町へ通じる国道219号はまだ通行止めの状態です。


 

◆<令和2年7月豪雨>  投稿者:中村まさあき様(2020年 8月9日)
熊本県の芦北町、津奈木町、水俣市の石橋を回ってきました。葦北郡津奈木町の「金山眼鏡橋」(下写真)は壁石の一部が流失したようです。壁石に泥がついているので水位は一時、路面を越えたと思われます。橋のたもとに朽ちた木の根が残り、川岸の田んぼの稲が流されていました。

土砂崩れなどのため通行止めの道路があって全てを確認することはできませんでしたが、次の石橋本体に大きな被害はなかったように見えました。
芦北町の「橋本眼鏡橋」「門口眼鏡橋」「塩屋眼鏡橋」「梅木鶴橋」「瀬戸橋」「橋本橋」津奈木町の「重盤岩眼鏡橋」「中村眼鏡橋」「浜村下橋(浜眼鏡橋)」「新村眼鏡橋」「寺前眼鏡橋」「寺前眼鏡橋」「中尾眼鏡橋」「内野眼鏡橋」「前田橋(上原めがね橋)」、水俣市の「陣内橋(新町の石橋)」「大迫下橋」「隈迫めがね橋」「境橋」。


 

◆<令和2年7月豪雨>  投稿者:中村まさあき様(2020年 8月14日)
国宝・青井阿蘇神社前のハス池に架かる「禊橋」(人吉市上青井町)の朱塗りのコンクリート製高欄が路面に崩れていました。一時は水位が高欄の上に達したようで神社の拝殿にも被害が及んだのですが、今は復旧され神事が行われていました。左下写真は「禊橋」。

右下写真は「石水寺門前眼鏡橋」(人吉市下原田町、市指定文化財)で、右岸側の高欄が崩落しています。


 

◆<令和2年7月豪雨>  投稿者:中村まさあき様(2020年 8月14日)
水害から1カ月が過ぎた熊本県人吉市と八代市坂本町の一部を8月13日に訪れました。県内ボランティアによる片付け作業が進められ、まだ手つかずの状態になっている家屋もあり、道路が作業のためか通行禁止になっている道路もありました。

人吉市では球磨川に注ぐ胸川の支流、寒川に架かる「義人橋」(人吉市古仏頂町)が大きな被害を受けていました。両岸の取付護岸が水流でえぐられ、アーチの外側の壁石が崩れて右岸側には大きな穴が空き、水が通っていった傷痕が残っています。周辺のコンクリートの護岸も崩壊し、水流のすさまじさを物語っています。路面は通行禁止。
左下写真は「義人橋」の上流側、右下は下流側

義人橋の上流に架かる斜橋「桂橋」は、一時水位が路面に達したようですが見たところ無事でした。人吉市で無事を確認できたのは「城本橋」「谷ノ平橋」(以前から左岸側壁石が崩落した状態)「矢黒神社橋」「柴笠の眼鏡橋」、山江村の「森下橋」。
また被害が大きかった八代市坂本町の中谷川に架かる「小崎眼鏡橋」は見たところ被害がなかったのが不思議な感じでした。同地区では道路が寸断されていて藤本天満宮眼鏡橋と下深水上橋は確認できていません。



◆<令和2年7月豪雨>  投稿者:中村まさあき様(2020年 8月30日)
8月29日に熊本県南部の球磨地方の石橋を訪れました。「古町橋」(球磨郡湯前町)は下流側から見ると被害がないようでしたが、上流側に回ると右岸の取付護岸の石垣の一部が崩落していました。護岸には木が生えており、その根が石垣の損傷に影響していたのではないかと思われます。


 

最終更新:2020/09/05
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