ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

20150218-0005-001

22 第1 章 肥後種山石工技術継承講座 経過報告川内田堀切橋のイラスト。左が下流側、右が上流側石橋架設実習計画に勇み足も 第6回講座は、山都町の上井手(通潤水路)に石造アーチ橋を新たに架設する準備を進めた。水路上に幅1.8㍍、長さ4㍍、高さ60㌢の作業床を設置し、井手の側壁外側に石橋の基礎となるコンクリートを打設した。しかしその時点で、事前に許可を得ていたはずの井手の管理者から、「井手と石橋を一体化するなら架設を許可できない」と工事を拒否される。他に改善の方法がないため、やむなくこの場所での石橋架設を断念せざるを得なかった。 世話役の尾上一哉氏は、次のように架設中止の事情を語る。 「通潤橋を渡った水が流れる白糸台地の井手には、丸太や竹を並べただけで腐った状態の橋や、古いガードレールを2枚重ねて渡した橋などがかなりあります。そこで以前から、これらを石橋にできたら景観がよくなるという思いがあり、石橋が架けられそうな場所の管理者に実習橋架設の申し入れをしては断られていました。今回はやっと了解が得られたと思ったのですが、合意形成が不完全な状態のまま一気に工事を進めたかたちになり、管理者に不信感を与えてしまったようです。受講者には石工の仕事以外のことで時間を浪費させてしまい、勇み足となった計画でした」初の石橋復元工事に任意参加 第7?9回講座は、山都町の緑地広場で2つ目のA橋と呼ぶ石造アーチ橋(径間2.2㍍)*3を架けるため、まず築造場所に架かっているコンクリート橋の撤去を行い、石造アーチ橋築造のための基礎工事を行い、支保工の設置工程まで進んだ。 第10?11回講座は、宇城市が発注した須すのまえばしノ前橋の復元工事に参加。実習予定日(土曜)を除く平日などに実施される工事に関して、受講者は任意で参加した。 須ノ前橋は、「白壁土蔵のまち」として知られる同市不知火町の松合地区にあったが、1999(平成11)年*3 山都町の緑地広場には2011年度に「遊水橋」(径間4㍍)が架けられ、翌12年度にはA橋(径間2.2㍍)と呼ぶ石造アーチ橋が新たに築造されたが、13年度に手直しが行われた。A橋はのちに「踊水橋」と名付けられた。