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概要

20150218-0005-001

技を受け継ぐ ?竹部光春師匠に聞く? 45ら石工の技能を磨いていったと推測できる。 「技能」と「技術」というが、両者は同じではない。その違いは、技能が職人の体に備わるものであることに対し、技術は記述・記録でき、文字、数式、図面、映像などにより伝達が可能である。*2 ◇技能 技芸を行ううでまえ ◇技術 科学を実地に応用して自然の事物を改変・加工し、人間生活に役立てるわざ 2014年度の第4期講座では、竹部光春師匠の石工技術を受講者に伝えるため、石橋構築・修復に関する映像などを用意し、それらを教材に、師匠の石工としての基本的な姿勢や考え方を聞いた。 第4期講座は2014年の8月26日、9月27日、10月19日、11月8日に開催された。以下は主に8月26日と9月27日の参加者間で交わされた質問と竹部光春師匠のコメント内容をまとめたものである。 参加者 竹部 光春(肥後種山石工技術継承者)     上塚 尚孝(石橋構築・修復技術者養成事業実行委員長)     尾上 一哉(石橋構築・修復技術者養成事業実行委員)     中村 まさあき(日本の石橋を守る会広報部長)     荒木 大人(受講者)     平生 勝治(受講者)     藤原 孝史(受講者)     本田 和幸(受講者)     山下 勇輔(受講者) 熊本県上益城郡山都町の御船川に架かる石造アーチ橋「金内橋」から1㌔も離れていない場所に、見事な石垣の個人住宅がある。西山さんという方の住居の石垣で、そこは第1期の肥後種山石工技術継承講座で見学に訪れた。重要な石材の選択 上塚 1850(嘉永3)年、山都町の金内橋を架けるときに石工棟梁を務めた宇市さんと弟の丈八(後の橋本勘五郎)さんが西山邸を宿所にし、そのお礼に石垣を築いたと伝えられています。17世紀初期に築造された熊本城の石垣は「打ち込み接は ぎ」ですが、19世紀半ばに築造された通潤橋は石材の合端がきちんと合った「切り込み接ぎ」です。西山邸は「切り込み接ぎ」の石垣の傑作ではないでしょうか。 竹部 「打ち込み接ぎ」「切り込み接ぎ」という言葉を現場で*2 技能、技術の意味は「広辞苑第六版」(岩波書店)より一部を引用。種山石工の宇市と丈八が積んだ西山邸の石垣(山都町)