ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

20150218-0005-001

貴重な石橋が次々と被災 59分・日田市の県内現存最古の筏いかがばめがねばし場眼鏡橋(県指定有形文化財)は、取付護岸や壁石が流失し輪石がむき出しの状態になった。 八女市上陽町を流れる星野川の上流から1連(洗せんぎょくばし玉橋)・2 連(寄よりぐちばし口橋)・3 連(大だいせばし瀬橋)・4 連(宮みやがはるばしケ原橋)の石橋、通称「ひふみよ橋」も豪雨により被害を受けた。倒木や倒壊した建物のがれきが勢いを増した川に流れ込み、石橋を襲った。 拱きょうし矢*110㍍の洗玉橋では、水面が一時は要かなめいし石の高さにまでなったとみられ、橋には流木や倒壊した建物のがれきなどがぶつかった痕が残り、輪石や壁石がはく離し、左岸側の輪石の内側に亀裂が入り、ずれが広がっている。寄口橋は、左岸側の取付護岸が流失し、高欄・路面が損傷、輪石の一部に亀裂が入り表面がはく離した。大瀬橋は、橋台・橋脚が損傷し、右岸側取付護岸と高欄の一部が流失、路面の一部が陥没した。「ひふみよ橋」で最も下流に架かる4連の宮ケ原橋は、4橋のうち最も被害が大きかった。右岸側取付護岸が損壊、架橋記念碑が倒れ地中に埋没し、高欄が全て流失、路面下の中詰め土砂が流れ出て、輪石が一部開いた。洪水直後の現場写真から、同橋には流木やがれきが何度も激突したとみられるが、それでも完全に流失することなく、橋は激流に耐え抜いた。 大分県中津市の山国川に架かる石造アーチ橋として日本最長の耶やばけいばし馬溪橋も高欄の一部が流失。上流の馬ばけいばし溪橋も高欄の一部が流失したが、両橋ともにその耐久力を実証した。ただ馬溪橋では、流木などがアーチに引っかかり川の水が両岸へあふれ、周辺の住宅に2度の浸水被害をもたらしたとして、周辺住民から撤去・架け替えの要望が中津市に提出された。2012年九州北部豪雨で被害を受けた石橋[福岡県]梅ヶ谷の眼鏡橋 流失福岡県八女市長野、架橋年不明、単一アーチ、橋長6.8㍍、橋幅2.7㍍栗林橋 輪石や壁石、取付護岸が損傷福岡県八女市上陽町、架橋年不明、2連アーチ、橋長39㍍、橋幅3.7㍍洗玉橋 輪石や壁石の一部に損傷、取付護岸損傷、路面と高欄の一部損傷福岡県八女市上陽町、1893(明治26)年架橋、単一アーチ、橋長32.5㍍、橋幅5.0㍍、径間22.5㍍、径間22.5㍍は福岡県最大。市指定有形文化財。石工棟梁は、肥後から招かれた種山石工の橋本勘五郎寄口橋 橋脚の洗掘、左岸側取付護岸破損、路面の一部陥没、高欄の一部流失ほか福岡県八女市上陽町、1920(大正9)年架橋、2連アーチ、橋長44.0㍍、橋幅3.6㍍石工棟梁は、八女郡川崎村の山下佐太郎大瀬橋 橋台・橋脚損傷、右岸側取付護岸倒壊、路面と高欄の一部流失ほか福岡県八女市上陽町、1917(大正6)年架橋、3連アーチ、橋長45.5㍍、橋幅3.7㍍石工棟梁は、八女郡北川内村の萩本卯作*1 拱矢とは、要石(アーチクラウン)中央から径間測定のために引いた水平線までの鉛直距離。ライズともいわれる。