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概要

20150218-0005-001

74 第4 章 石橋の復活を目指して健全度評価方法を確立すること、および、道路橋として新規の石橋建設は認知されていない現状を何とか打破したいとの目的で石橋研究を始めた。これまで実施してきた石橋に関する研究内容の概要を述べることにする。(1)石橋に使用されている石材の材料特性について 石橋にはアーチ輪石や壁石などに種々の石材が使用されており、九州に存在する石橋の多くには灰はいいし石とも呼ばれる溶結凝灰岩(写真3.1)をはじめ、天草の砂岩、花崗岩、安山岩などが使用されている。これらを対象に石材の材料特性を調べるために数々の試験を実施した。圧縮強度試験(写真3.2と写真3.3)、せん断試験(図3.2)を実施した。 図3.1には圧縮試験から得られた結果の一例を示した。図3.1より石材の圧縮強度は静弾性係数*2と相関関係が大きかった。図3.2の石材と石材の相対変位を測定するせん断試験では、ある限界荷重に達するとすべり出すことがわ分かった。図3.3は、壁石等に相当する鉛えんちょく直荷重を作用させた結果の一例である。図3.1 圧縮試験の結果の一例写真3.1阿蘇溶結凝灰岩(Aso-4)図3.2 石材せん断試験 図3.3 せん断試験の結果の一例写真3.2 堆積方向Vと堆積層方向Hの例*3。楕円枠内は堆積方向を表す異質岩片写真3.3圧縮試験供試体*2 静弾性係数とは、常に一定の荷重を加えた際に物体の内部に生じる力とひずみの関係。*3 通常、石材の堆積方向Vは堆積層方向Hより鉛直方向の圧縮強度が大きいので、アーチ石材は、堆積方向を圧縮力作用する方向に使用する。